脳卒中は「予防できる病気」です
日本では年間約11万人が脳卒中で亡くなっています。
2026年5月、東京理科大学の研究チームが脳卒中後の神経回復メカニズムを解明したと発表しました。
この研究は治療の可能性を広げますが、発症を防ぐことの重要性は変わりません。
脳卒中の危険因子の多くは、生活習慣の改善で抑えることができます。
45歳を過ぎたら、今日から意識して取り組むことが大切です。
対策1:血圧を定期的に測る
脳卒中最大のリスク因子は高血圧です。
家庭用血圧計で毎朝同じ時間に測る習慣をつけてください。
目標は収縮期血圧130mmHg未満です。
「病院では正常だったから大丈夫」と思っていても、家庭での血圧が高い「仮面高血圧」の方は少なくありません。
測定値を手帳やアプリに記録し、かかりつけ医に見せることをお勧めします。
対策2:塩分を1日7.5g未満に抑える
日本の平均塩分摂取量は1日10g前後で、推奨値を大幅に超えています。
みそ汁を1日1杯に減らす、だしを効かせて塩を減らす、漬物の量を半分にするだけでも効果があります。
減塩しょうゆや減塩みそへの切り替えは手軽な第一歩です。
脳卒中予防で最もコストパフォーマンスが高い対策は、毎日の塩分を少し減らすことです。薬も費用も不要です。
対策3:運動・禁煙・心房細動の早期発見
ウォーキングや水泳など、少し息が上がる程度の運動を週合計150分行います。
30分×5日でも、50分×3日でも構いません。
運動は血圧を下げ、体重をコントロールし、血管の柔軟性を保つ効果があります。
喫煙者の脳卒中リスクは非喫煙者の約2倍です。
禁煙から2〜4年でリスクは非喫煙者のレベルに近づきます。
かかりつけ医への相談、禁煙外来の活用など、選択肢は豊富にあります。
心房細動は不整脈の一種で、脳卒中リスクを約5倍に高めます。
自覚症状がない場合も多く、健康診断の心電図検査で初めて発見されることが多いです。
45歳以上の方には、年1回の心電図検査を強くお勧めします。
主な危険因子と脳卒中リスクの目安(一般的数値)
前兆を見逃さずかかりつけ医と連携する
脳卒中には**TIA(一過性脳虚血発作)**という前兆が現れることがあります。
突然の顔のゆがみ、片手の脱力、呂律が回らない、などの症状が数分〜数時間で消えるケースです。
「治ったから大丈夫」と思いがちですが、TIAは脳卒中の直前警告サインです。
症状が消えても、すぐに救急車を呼ぶか脳神経外科を受診してください。
5つの対策はどれも「かかりつけ医との相談」が軸になります。
特定健診(40〜74歳対象)を毎年受診することで、血圧・血糖・脂質のデータが記録されます。
データが積み上がるほど、異変を早期に捉えやすくなります。
まだ特定健診を受けていない方は、市区町村の窓口で受診方法を確認してください。
脳卒中の予防は特別なことをするよりも、毎日の小さな習慣の積み重ねです。
まず血圧を測ることと、塩分を少し減らすことから始めてみてください。

