要点
- 2024年の被害額: 約721.5億円(認知件数21,043件、過去最悪)
- 被害者の年齢: 65歳以上が6割超
- 相談窓口: 警察相談専用電話 #9110、消費者ホットライン 188
- 見抜く基準: 警察・役所・銀行が電話でATM操作やカードの回収を指示することはない
特殊詐欺は、電話やはがき、メールで相手を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取る犯罪の総称です。
警察庁のまとめでは、2024年の認知件数は21,043件、被害額は約721.5億円に達しました。
前年の452.6億円から6割近く増え、統計を取り始めて以来の最悪水準です。
2026年に入っても、海外から指示役が電話をかける「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の摘発が続いています。
警察庁の有識者検討会は今週、指示役のスマートフォンを遠隔で解析する新しい捜査手法を提言しました。
捜査が進んでも、最初の一本の電話を止められるのは、受けた本人だけです。
特殊詐欺は「電話・カード・ATM」の三つで見抜けます
手口は年々変わりますが、被害に至る道筋はほぼ同じです。
まず電話や通知で不安をあおり、次に「今日中に」と急がせ、最後に現金やカードを手渡させます。
この三段階のどこか一つで立ち止まれば、被害の大半は防げます。
2026年に多い五つの手口
架空料金請求詐欺は、未払い料金や有料サイトの利用料を名目に、電子マネーや振り込みを求める手口です。件数・被害額ともに最も多い型です。
オレオレ詐欺は、息子や孫を名乗り、会社のお金の紛失や交通事故の示談金を口実に現金を求めます。
預貯金詐欺とキャッシュカード詐欺盗は、警察官や銀行協会をかたり、「口座が悪用されている」と告げてカードを封筒ごとすり替えます。
還付金詐欺は、市役所や年金事務所を名乗り、「医療費の払い戻しがある」とATMへ誘導します。
最近は警察官を名乗る国際電話や、「+1」「+44」で始まる番号からの着信も各地で報告されています。
「今日中に」「誰にも言わないで」と言われた瞬間が、電話を切る合図です。
電話が来たときの確認手順
一度電話を切り、家族や本人に自分から掛け直します。相手が教えた番号ではなく、手元の連絡先を使います。
役所や警察を名乗る場合は、代表番号を自分で調べて掛け直します。還付金がATMで戻ることはありません。
家族の名前を名乗る電話には、こちらから名前を言わないことも大切です。相手は名乗られた名前をそのまま使います。
自宅の固定電話は常時留守番電話に設定し、知らない番号には出ない習慣が有効です。
留守番電話に用件が残っていなければ、掛け直す必要はありません。
警察官が自宅でキャッシュカードや暗証番号を預かることもありません。
ポイント: 「ATMを操作して」「カードを取りに行く」「電子マネーで支払って」の三つのうち一つでも出たら、内容にかかわらず詐欺と判断して差し支えありません。
迷ったときの相談先と電話の設定
判断に迷ったら、警察相談専用電話 #9110 に掛けます。切迫している場合は110番です。
消費生活センターの消費者ホットライン 188(いやや) でも、料金請求の真偽を確認できます。
最寄りの警察署の生活安全課でも、詐欺の電話を受けたという情報を受け付けています。
固定電話に取り付ける自動通話録音機は、多くの自治体が無料または補助付きで貸し出しています。
携帯電話は各社の迷惑電話対策機能を有効にし、国際電話の着信を拒否する設定も選べます。
警察庁の特殊詐欺対策サイトで最新の手口を確認する公式サイト(警察庁 SOS47) →
家族の間で「お金の話は必ず折り返し電話」というルールを決めておくと、動揺した場面でも判断しやすくなります。
万一振り込んでしまった場合は、すぐに振込先の金融機関へ連絡します。振り込め詐欺救済法に基づき、口座凍結と返金の申請ができます。
