生活援助とは、介護保険の訪問介護のうち、掃除・洗濯・調理・買い物といった日常の家事をホームヘルパーが代わりに行うサービスです。
入浴や排せつの介助など体に直接触れる支援は「身体介護」に分かれ、生活援助とは料金も条件も異なります。
家事支援の担い手を国家資格にする案が2026年9月に報じられ、賛否の声が上がっています。
一方、介護保険の生活援助は資格を持つヘルパーが担う制度としてすでに定着しており、要介護認定を受けた人なら今日から利用を検討できます。
生活援助は「本人のための家事」だけを保険で頼める仕組みです
利用できる人と条件
対象は要介護1〜5の認定を受けた人です。要支援1・2の人は、市区町村の「介護予防・日常生活支援総合事業」で同様の訪問型サービスを受けます。
原則は一人暮らしの人、または同居家族が病気や障害、仕事のために家事を担えない場合です。
同居家族がいても、ケアマネジャーが必要性を認めてケアプランに記載すれば利用できます。「同居家族がいると一律に不可」ではありません。
判断の基準は自治体ごとに文書で示されています。迷ったらケアマネジャーに確認するのが早道です。
頼めること、頼めないこと
頼めるのは、本人の居室の掃除、本人の衣類の洗濯、本人の食事の調理、日用品の買い物、薬の受け取りです。
頼めないのは、家族の分の調理や洗濯、来客の応対、庭の草むしり、ペットの世話、大掃除や窓拭きです。
線引きの基準は「本人の日常生活に欠かせないかどうか」です。家族の部屋の掃除は保険の対象外になります。
生活援助は家政婦ではなく、本人が自宅で暮らし続けるための最低限の家事を支える制度です。
保険外の家事を頼みたい場合は、同じ事業所が提供する自費サービスや、自治体のシルバー人材センターを組み合わせます。
料金と自己負担の目安
料金は所要時間で決まります。20分以上45分未満が179単位、45分以上が220単位です。
1単位はおおむね10円で、都市部では地域加算により最大11.40円になります。
45分以上の生活援助を東京23区で使うと、1回の総額は約2,500円です。自己負担1割なら約250円になります。
所得によっては2割・3割負担の人もいます。手元の負担割合証で確認できます。
月の自己負担が一定額を超えた分は、高額介護サービス費として払い戻されます。
利用回数には目安があり、要介護1で月27回、要介護2で月34回を超えるケアプランは市区町村への届け出が必要です。
多くの人は週2〜3回、1回45分程度から始めます。
利用を始める手順
まず市区町村の窓口か地域包括支援センターで要介護認定を申請します。認定結果は原則30日以内に届きます。
認定後、ケアマネジャーと相談して、生活援助を含むケアプランを作成します。
ケアプランの作成に費用はかかりません。全額が介護保険で賄われます。
訪問介護事業所と契約し、初回訪問でヘルパーと作業内容を確認すれば開始です。
事業所は厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で、地域ごとに検索できます。
介護サービス情報公表システムで事業所を探す公式サイト(厚生労働省) →
家事支援の資格化が進んでも、介護保険の生活援助の枠組み自体は変わりません。
まず今の制度で何を頼めるかを知ることが、本人と家族の負担を減らす近道です。
