要点
- 申請先: 住所地の市区町村(窓口・郵送・オンライン)
- 申請期限: 発災から3か月以内が目安(自治体により異なる)
- 手数料: 無料
- 支援金の上限: 被災者生活再建支援金は全壊で最大300万円
罹災証明書は、住まいの被害の程度を市区町村が公的に証明する書類です。
支援金、税や保険料の減免、応急修理、仮設住宅への入居など、ほぼすべての公的支援の入口になります。
2026年9月、関東から九州にかけて大雨が長引き、住宅の浸水被害が広がっています。
片付けを急ぐ前に、被害の記録と申請の準備を進めることが、あとで受けられる支援の額を左右します。
罹災証明書は「写真を撮ってから申請」が鉄則です
片付けの前に被害を記録する
自治体の調査員が来る前に片付けてしまうと、被害の程度を証明できなくなります。
建物の四方を外から撮影し、浸水した高さがわかるようメジャーを当てて撮ります。
浸水の跡が乾く前に撮るのが理想です。壁に残った水位の線は、時間がたつと消えてしまいます。
室内は部屋ごとに、床・壁・家具・家電の状態を撮影します。日付が入る設定にしておくと確実です。
写真は自治体が用いる「自己判定方式」の判断材料にもなります。一部損壊であれば、写真だけで交付する自治体が増えています。
申請に必要なものと出し方
申請書は市区町村の窓口またはホームページで入手します。マイナポータルの「ぴったりサービス」からオンラインで申請できる自治体もあります。
必要なものは、本人確認書類、被害状況の写真、印鑑の三点が基本です。
郵送の場合は写真を印刷するか、自治体が指定する方法でデータを送ります。
申請できるのは、原則として住宅の所有者か居住者です。借家に住んでいる人も申請できます。
本人が動けない場合は、同居家族や代理人が申請できます。委任状を求める自治体もあります。
ポイント: 申請期限を過ぎると受け付けない自治体があります。片付けの途中でも、写真を撮り終えた時点で申請だけ先に済ませてください。
罹災証明書の区分ひとつで、受け取れる支援金は0円にも300万円にもなります。
被害区分と支援金の関係
区分は住宅の損害割合で六段階に分かれます。
| 被害区分 | 損害割合 |
|---|---|
| 全壊 | 50%以上 |
| 大規模半壊 | 40%以上50%未満 |
| 中規模半壊 | 30%以上40%未満 |
| 半壊 | 20%以上30%未満 |
| 準半壊 | 10%以上20%未満 |
| 一部損壊 | 10%未満 |
浸水被害は水の深さで判定されることが多く、床上1.8m以上で全壊、床上1m以上で大規模半壊、床上0.5m以上で中規模半壊が目安です。
被災者生活再建支援金は、全壊なら基礎支援金100万円と加算支援金(建設・購入)200万円の合計300万円が上限です。
大規模半壊は合計250万円、中規模半壊は加算支援金のみで最大100万円です。半壊以下は対象外になります。
被災者生活再建支援金の上限額(住宅を建設・購入する場合)。区分が一つ違うと受給額が大きく変わります。
判定に納得できなければ、再調査を申し出ることができます。二次調査では建物内部の損傷まで確認します。
再調査の申し出に期限を設けている自治体もあります。通知を受け取ったら早めに判断してください。
内閣府の被災者支援制度を確認する公式サイト(内閣府 防災情報) →
交付後に使える主な制度
半壊以上と判定されると、災害救助法の応急修理制度で約70万円を上限に修理費を自治体が負担します。
火災保険の水災補償の請求では、多くの保険会社が写真と見積書で対応します。証明書の交付を待って請求を遅らせる必要はありません。
契約している保険に水災補償が付いているかは、保険証券の「補償内容」欄で確認できます。
固定資産税や国民健康保険料の減免、医療機関での窓口負担の免除も、証明書を添えて申請します。
「被災証明書」は、家財や車など住宅以外の被害を届け出た事実を証明する別の書類です。用途に応じて両方を取得します。
証明書は何通でも交付されます。支援金、保険、税の減免で提出先が分かれるため、最初に3通ほどまとめて受け取っておくと手間が減ります。
