加湿器の方式の違いは、加湿の仕組みの違いというより、電気代と手入れの手間の違いとして表れます。
主な方式は超音波式、加熱式(スチーム式)、気化式の3つです。
どれも部屋の湿度は上がりますが、月々の電気代には10倍以上の開きがあります。
置く部屋と、手入れにかけられる時間で選ぶのが現実的です。
3方式の差は、電気代と手入れの手間に出ます
| 方式 | 1か月の電気代の目安 | 加湿の速さ | 主な手入れ |
|---|---|---|---|
| 気化式 | 約¥110 | 遅い | フィルターの洗浄と交換 |
| 超音波式 | 約¥190 | 速い | 毎日の水替えとタンク洗浄 |
| 加熱式 | 約¥2,200 | 最も速い | 水垢(カルキ)の除去 |
金額は1日8時間の運転、電力量料金を1kWhあたり¥31として計算した目安です。
加熱式だけが、桁の違う金額になります。
超音波式は本体が安く、水の中身をそのまま部屋に出します
水を超音波で細かい霧にして飛ばす方式です。
消費電力は20〜30Wほどで、運転音もほとんど出ません。
本体価格も3方式の中で最も安く、¥3,000台の製品もあります。
弱点は、水を加熱しないことです。
タンクの中で増えた雑菌も、水道水に含まれるミネラルも、そのまま霧に乗って部屋に出ます。
家具や床にうっすら積もる白い粉の正体が、このミネラル分です。
毎日水を入れ替え、タンクを洗う手間が前提の方式だと考えてください。
実機での使い勝手はLevoit Classic 300S レビューで扱っています。
ポイント: 手入れを怠った加湿器の水は、レジオネラ属菌の温床になります。高齢の方や持病のある方が重い肺炎を起こした事例が報告されています。
加熱式は最も衛生的で、そのぶん電気代が10倍以上かかります
水をヒーターで沸騰させ、蒸気にして放出する方式です。
沸騰の過程で雑菌が死ぬため、3方式の中で最も衛生的です。
加湿の立ち上がりも速く、乾いた部屋の湿度を短時間で引き上げられます。
代わりに消費電力は200〜500Wと大きくなります。
電気代の差は、衛生と速さに対して払っている代金です。
吹き出し口から出る蒸気は高温です。小さなお子さんやペットのいる場所には向きません。
タンクや加熱皿にたまる水垢を、クエン酸で定期的に落とす作業も必要になります。
気化式は電気代が最も安く、加湿の速さを諦める方式です
水を含ませたフィルターに風を当て、自然に蒸発させます。
消費電力は10〜20W程度と最も小さく、吹き出し口も熱くなりません。
湿度が上がると蒸発しにくくなるため、加湿しすぎない点も利点です。
弱点は速さで、部屋が乾いていても急には湿りません。
送風の音が常に出ること、フィルターの洗浄と交換が要ることも押さえておきます。
フィルター代は、年に**¥2,000〜¥4,000**程度を見ておくと安心です。
フィルターが目詰まりすると加湿量そのものが落ちるため、交換を先延ばしにできない方式でもあります。
置く部屋で決めるのが、いちばん失敗しません
寝室なら、静かで熱くならない気化式か超音波式が合います。
居間で速く湿度を上げたいなら、加熱式か、加熱と気化を組み合わせたハイブリッド式です。
木造か鉄筋か、部屋の広さや気密性でも必要な加湿量は変わります。
カタログの適用畳数は、最大運転時に測った数字です。実際の部屋より広めの表示を選んでください。
室内の湿度は**40〜60%**が目安とされ、加湿しすぎれば窓の結露とカビの原因になります。湿度計を一つ置くだけで、運転時間の無駄がなくなります。
電気代が気になる方は、まず1日の運転時間を書き出し、表の金額に当てはめてみてください。
加湿器の事故・リコール情報を調べる国民生活センター 公式サイト →
加湿器は、毎年のように事故情報やリコールが公表される家電でもあります。
候補の型番が決まったら、購入前に公表情報を確認しておくと安心です。

