要点
- 目安の音量: 80デシベル
- その音量で聞ける時間: 週40時間まで
- 音量が3デシベル上がると: 安全な時間は半分
- 走行中の電車の車内: おおむね80デシベル
世界保健機関(WHO)と国際電気通信連合(ITU)が2019年に示した目安は、大人で80デシベル・週40時間です。
1日あたりにすると、平日は5時間を超えないあたりが上限になります。
難しいのは、自分が今何デシベルで聞いているかが分からないことです。
80デシベルは、走っている電車の中と同じ大きさです
音量の確認は、隣の人と話せるかでできます
走行中の電車の車内は、おおむね80デシベルです。
つまり通勤中に外の音と同じくらいの音量で音楽を流していれば、その時点で80デシベルに届いています。
ヘッドホンをつけたまま、隣の人と普通の声で話せるか。
これが最も簡単な確認方法です。
声を張らないと通じないなら、音量は目安を超えています。
合計時間も見てください。通勤の往復に1時間半、自宅の作業中に2時間。平日だけで週17時間を超えます。
テレビや人の話し声と違い、ヘッドホンの音には逃げ場がありません。耳のすぐ内側で鳴っています。
スマートフォンの多くは、聞いた音量の履歴を記録しています。iPhoneならヘルスケアアプリ、Androidにも同様の機能があります。
自分の感覚より、記録された数字のほうが正確です。
3デシベル上がると、安全な時間は半分になります
音のエネルギーは、3デシベルごとに倍になります。
だから許される時間は、3デシベル上がるたびに半分になります。
1週間に聞ける時間の目安。音量が3デシベル上がるごとに、安全な時間は半分になります。
86デシベルなら週10時間です。1日1時間半で上限に届きます。
95デシベルまで上げると、週に1時間強しか余裕がありません。
音量を2目盛り上げる操作は、聞ける時間を半分に削る操作と同じです。
失われた有毛細胞は再生しません。難聴対策は、気づいてからでは間に合わない種類の対策です。
ノイズキャンセリングは、音量を下げるための機能です
騒音の中で音楽が聞き取れないとき、人は音量を上げます。
背景が80デシベルあれば、それを越える音量を出すことになります。
ノイズキャンセリングは、この背景のほうを削る機能です。
低い周波数の連続音、つまり電車や飛行機の音に最もよく効きます。
背景が15デシベル下がれば、同じ聞こえ方を15デシベル低い音量で得られます。
静かな部屋で使うときより、騒がしい場所で使うときのほうが効果は大きいということです。
音質のための機能だと思われがちですが、実際には耳を守る機能でもあります。
機種ごとの効き方の違いは、ノイズキャンセリングヘッドホンのおすすめ3選 2026で比べています。
耳鳴りが残った日は、音量が高すぎました
大きな音を聞いた後、耳が詰まった感じや耳鳴りが残ることがあります。
数時間で戻るものは一時的な閾値上昇と呼ばれ、内耳が疲れている状態です。
これを繰り返すうちに、戻らない部分が少しずつ増えていきます。
騒音による難聴は4,000ヘルツ付近から始まり、会話の音域は最後まで残ります。
だから自覚が遅れます。聞こえにくいと感じた時点で、すでに進んでいることが多いのはこのためです。
加齢による聴力の低下も、同じ4,000ヘルツ付近から始まります。
騒音の分は、その上に積み上がっていきます。45歳を過ぎてからの音量管理に意味があるのはこのためです。
聞き返しが増えた、テレビの音量が上がった。この2つを家族から指摘されたら、一度聴力検査を受けてください。
