イオン、プラズマ、活性種。空気清浄機のカタログに並ぶこうした名前は、いずれも放電を使う付加機能を指しています。
放電を使えば、オゾンが副産物としてわずかに生まれます。
確認すべきは、出ているかどうかではありません。何ppm出ているかです。
イオン発生機能は、荷電粒子を部屋に放つ機能です
ろ過式は吸い込み、イオン式は放ちます
HEPAフィルターを使うろ過式は、空気を本体に吸い込んで、繊維で粒子を受け止めます。
汚れは本体の中に溜まります。部屋に向かって出ていくものはありません。
花粉やハウスダストのように比較的大きい粒子は、このろ過式だけで十分に取れます。
イオン発生機能はその逆です。
放電でつくった荷電粒子を室内に放ち、浮遊しているにおい成分やウイルスに付着させます。
放電を伴うのは後者だけです。ろ過機能しか持たない機種から、オゾンは出ません。
国内メーカーの多くは、この2つを1台にまとめています。
同じ「空気清浄機」という名前でも、中身は別々の技術が2つ入っていると考えてください。
判断の線は0.05ppmに引かれています
日本電機工業会の自主基準では、家庭用空気清浄機のオゾン発生濃度を0.05ppm以下と定めています。
比較の相手になるのが、日本産業衛生学会が示す許容濃度0.1ppmです。
環境省が定める光化学オキシダントの環境基準は、1時間値で0.06ppm以下です。
自主基準は、この2つより低いところに引かれています。
オゾン濃度の3つの目安。上から日本産業衛生学会の許容濃度、環境省の環境基準(1時間値)、日本電機工業会の自主基準です。
さらに厳しい線もあります。米国のUL 2998という規格は、0.005ppm未満を「ゼロオゾン」として認証します。
0.05と0.005では、桁がひとつ違います。
カタログにこの認証名があれば、放電式の機能を積んでいても、実質的にオゾンは出ていないと読めます。
機種ごとの数字の並べ方は、空気清浄機のおすすめ3選 2026にまとめてあります。
オゾンは、出ているかどうかではなく、何ppmかで判断する物質です。
寝室で使うなら、イオン機能を切れる機種にします
基準を満たした機種でも、条件が重なれば室内の濃度は上がります。
6畳の寝室、閉め切った窓、8時間の連続運転。この3つがそろう部屋は、リビングとは条件が違います。
プールのような、あるいは青草を刈ったようなにおいを感じたら、それがオゾンの臭気です。
人がにおいで気づく濃度はおよそ0.01ppmからで、基準値よりかなり手前で分かります。
呼吸器に持病のある方、小さなお子さん、ペットのいる家庭では、イオン機能だけを止められるかを確認してください。
多くの機種は、集じん運転を続けたままイオン発生だけをオフにできます。
この切り替えがない機種は、寝室向きとは言いにくいところです。
昼間のリビングで使い、寝るときは止める。この使い分けでも実害は避けられます。
「99.9%除去」は、試験箱の中の数字です
除菌性能をうたう表示の多くは、密閉した試験箱で得られた結果です。
箱の容積、かけた時間、対象とした物質。この3つが表示のそばに小さく書かれているはずです。
実際の部屋は試験箱よりはるかに広く、人が動き、ドアも開きます。
同じ数字は出ません。
国民生活センターは、除菌をうたう商品の試験結果を公表しています。気になる商品名で調べてから買うと、判断が一段速くなります。
国民生活センターで商品テストの結果を調べる公式サイト(独立行政法人 国民生活センター) →
付加機能の優劣より先に、フィルターの捕集率と適用畳数を見てください。
イオン機能は補助であって、集じん能力そのものではありません。
